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ダンス寿司-びじゅチューン!モデル(元ネタ)作品解説・放送内容・動画

びじゅチューン!『ダンス寿司』のモデル(元ネタ)作品は?

びじゅチューン!ダンス寿司のモデルとなったアンリ・マティス『ダンスⅡ』

アンリ・マティス『ダンスⅡ』Photo:Gandalf’s Gallery

アンリ・マティス『ダンスⅡ』解説

作品名:ダンスⅡ
作者名:アンリ・マティス
制作年:1910年頃
所蔵先:エルミタージュ美術館

びじゅチューン!ダンス寿司』のモデル(元ネタ)になった美術作品は、フォーヴィスムの代表的な芸術家アンリ・マティスによる油彩画『ダンスⅡ』。『ダンスⅡ』はロシアの富豪セルゲイ・シチューキンの注文により制作された作品で、現在はロシアのエルミタージュ美術館に収蔵されています。

アンリ・マティス『ダンスⅡ』はここがすごい

実際の人体とはかけ離れた色・形、ポーズの肉体から、曲線が作り出すリズムや躍動感が感じられるマティス作『ダンスⅡ』は、それまでの古典的なフランス絵画とは一線を画す、激しく鮮やかな色彩と大胆な筆使いが特徴的です。

マティスは、本作で線と色を極力単純化し、遠近法や伝統的な色彩配置のルールを無視することで、人体ではなく躍動感そのものを描こうとしました。

アンリ・マティス『音楽』

アンリ・マティス『音楽』1910年 エルミタージュ美術館Photo:Gandalf’s Gallery

マティスは『ダンスⅡ』制作後、ロシアの富豪セルゲイ・シチューキンからもう1作の依頼を請けています。それがこちらの『音楽』。『ダンスⅡ』と『音楽』には、赤・青・緑の色彩、5人の人物、遠近感の感じられない構図などの共通点、躍動感と静寂、連帯感と孤立などの相反点が見られます。

アンリ・マティス『ダンスⅠ』

アンリ・マティス『ダンスⅠ』1909年 ニューヨーク近代美術館

また、アンリ・マティスが描いた『ダンス』には、今回びじゅチューン!「ダンス寿司」のモデルとなった『ダンスⅡ』のほかにも『ダンスⅠ』という作品が存在しています。『ダンスⅠ』は『ダンスⅡ』の約1年前に制作された作品で、『ダンスⅡ』に比べると色味が人間らしく、躍動感も控えめです。

フォーヴィスムを代表するアンリ・マティスとは?作者紹介

アンリ・マティス

『ダンスⅡ』の作者であるアンリ・マティスは、1869年フランス生まれの芸術家です。

パリの法律事務所に勤めていたマティスは、20代のときに虫垂炎をこじらせ一年ほど療養。このとき油絵を描いたことをきっかけに、パリ国立美術学校を受験すると、象徴主義の代表画家ギュスターヴ・モローに師事します。ポール・セザンヌなど後期印象派の作品や色彩理論を研究したマティスの作品は、1905年にパリで開かれたサロン・ドートンヌでヴラマンクやルオーらの作品と共に展示され一躍注目を浴びますが、批評家ルイ・ヴォークセルには「野獣(フォーヴ)の檻のなかにいるようだ」と侮蔑的に評されました。

これをきっかけにフォーヴィスムの代表的な存在となったマティスですが、マティス自身はフォーヴと呼ばれることを好まず、サロン・ドートンヌの3年後1908年にはフォーヴィスムと別れています。

アンリ・マティス『王の悲しみ』

アンリ・マティスによる切り絵作品『王の悲しみ』1952年 ポンピドゥーセンター

フォーヴィスムと別れたマティスは、『ダンスⅡ』『音楽』などを制作。色彩と形態の釣り合いや可能性を極限まで追求し続け、独自の表現手法を探るなかで油絵から切り絵へと手法を転換すると、晩年はステンドグラスや礼拝堂の内装なども手がけました。

色彩の魔術師」の異名を持つマティスは、20世紀以降の美術の発展に大きな影響を与え続けています。

びじゅチューン!『ダンス寿司』放送内容解説・登場人物

『ダンス寿司』あらすじ解説

躍動する体を有効利用しつつ頭に乗せたお皿は決して落としません

びじゅチューン!ダンス寿司』の舞台は回転寿司屋さん。お客として回転寿司にやってきたジョコンダ商社の社員たちは、台の上をまわるお寿司を前にわくわくです。

寿司職人が、ミスターかくし芸マチャアキばりの技で寿司を台に残したままテーブルクロスを引くと、回転寿司の台の下には、寿司を頭に乗せ、手を繋ぎ輪になってシャッセ、ターン、ジュテを挟みつつマイムやサンバを踊る裸のダンサーたちが。

ここは生身のダンサーが踊りながら寿司の皿をまわす「ダンス寿司」だったのです。

あじ、タコ、えんがわ、げそ、しゃこ、ウニ、新鮮なネタのお寿司を頭に乗せてまわるダンサーたちにボーゼンとしつつも、回っている寿司の皿を手に取ったジョコンダ商社の社員たちは、ダンス寿司の美味しさにうっとり。三ツ星どころではない、十八星の美味しさに、テーブルにはお寿司を食べ終えた空のお皿が次々に積みあがっていきます。

寿司ダンサーの真似をして頭に寿司の皿を乗せてみたOLに、すかさず別のお客さんが「やめときな」と忠告。頭を上下させず皿の高さを一定にキープしながら寿司ゴーラウンドをキメるダンサーたちは、アスリートのように毎日がピーク。ダンス寿司のダンサーは命を削って踊り続けているのです。

『ダンス寿司』歌詞係・登場人物

びじゅチューン!『ダンス寿司』の歌詞係は、『ダンスⅡ』の作者アンリ・マティス。晩年切り絵にも取り組んだマティスらしく、歌詞カードをハサミでチョキチョキしています。

ダンス寿司の客席には、『お局のモナ・リザさん』でおなじみジョコンダ商社の社員4名が着席。彼らは『地元が快楽の園』、『曜変天目ディスコ』、『月曜日モンスター』、『ひまわりがお掃除しちゃうわよ』『アルルの訳あり物件』などにも登場しています。

途中「素人は真似しちゃならねぇ」とOLに忠告するおば様は、『何にでも牛乳を注ぐ女』『立体曼荼羅マスゲーム』にも登場したジョコンダ商社社食の調理師さんです。

ダンス寿司さん、メロンも置いていただけると嬉しいです

びじゅチューン!『ダンス寿司』収録DVD BOOK

びじゅチューン!『ダンス寿司』は、びじゅチューン!DVD BOOK6巻・第05話に収録されています。

びじゅチューン!『ダンス寿司』放送データ・作者・動画

放送局:NHK Eテレ(教育テレビ)
初回放送日:2020年1月29日
作者:井上涼(作詞・作曲・歌・アニメーション)
歌詞:掲載サイト無(動画内の歌詞をご確認ください)
動画:YouTubeどーがレージ


びじゅチューン!全作品一覧

2013年放送びじゅチューン!作品
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