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ディエゴ・ベラスケスの生涯と代表作・作品解説

ディエゴ・ベラスケスとは?

ディエゴ・ベラスケス Diego Velazquez

ディエゴ・ベラスケスは、スペインで活躍した宮廷画家であり、ヨーロッパの絵画史上最大の肖像画家のひとりにも数えられるバロック美術の巨匠です。

盛期ルネサンスの画家たちやカラヴァッジオ(カラヴァッジョ)ルーベンスらの影響を受けたベラスケスは、フェリペ4世や王族関係者だけでなく、侍女や道化などスペイン王宮に住まう人々の肖像画も多く手がけました。現実的でありながら気品と威厳に満ちたベラスケスの肖像画をフェリペ4世は大変気に入っており、ベラスケスのアトリエに頻繁に出入りしていたと言われます。

ベラスケスの代表作に『ラス・メニーナス』『ブレダの開城』『教皇インノケンティウス10世』『鏡のヴィーナス』などがあります。ベラスケスの作品はエドゥアール・マネら印象派の芸術家たちやその後の美術界に多大な影響を与えました。

ディエゴ・ベラスケスの生涯

ベラスケスは1599年6月6日、スペイン・セビリヤの町に貴族の子として生まれました。何をさせても上手くこなすベラスケスに「最良の教育を」と考えたベラスケスの両親は、ベラスケスが特に得意であった絵の才能を伸ばすため画家フランシスコ・パチェーコに元に修行に出します。美術研究家でもあったパチェーコは教養が高い理論家で、ベラスケスはパチェーコの元で様々な知識を吸収しました。

パチェーコの娘ファナと結婚したベラスケスは、24歳でフェリペ4世から肖像画を依頼されると、以降はスペインの宮廷画家として活躍することになります。

スペイン宮廷画家となったベラスケス

芸術に惜しみなく投資するフェリペ4世の寵愛を受けたベラスケスは、スペインを訪れたバロックの巨匠ルーベンスと交流したほか、30代と40代のときにはイタリア訪問などでキャリアを積み、2度目のイタリア滞在時にはローマ教皇の肖像画制作でも高い評価を得ました。

2度目のイタリア滞在からスペインに戻ったベラスケスは王宮配室長に就任、世界的な名画『ラス・メニーナス』を手がけた後、60歳でサンディアゴ騎士団の称号を手にします。画家の地位が決して高くなかった時代、画家であるベラスケスが爵位の称号を手にするのは大変名誉なことでした。

画家としてだけでなく、王宮の重職も担うことになったベラスケスは過労がたたり、爵位を受けてすぐの61歳でこの世を去ります。そしてベラスケスの代表作『ラス・メニーナス』の中に描かれた画家ベラスケスの胸元には爵位を表す十字章が描き加えられました。

ディエゴ・ベラスケスの特徴・作品鑑賞ポイント

人となりが透けるベラスケスの肖像画

教皇や王の人間性までも描きだすベラスケス

ベラスケスは宮廷画家として多くの肖像画を手がけており、フェリペ4世や王族関係者だけでなく、宮廷に住まう侍女や慰め者のほか、ローマ滞在時にはローマ教皇の肖像画も制作しました。

絶対的に地位の高い人物の肖像画を制作するとき、画家はその人物の美しさを誇張しがちです。男性であれば威厳に満ちたイケメン、女性であれば可憐な美人、誰もが惚れ惚れするような姿に描こうとします。ルーベンスなどは、フランス王妃の肖像画を神話画に見立てるといったことまでやってのけています。

しかし、ベラスケスはそういった「盛った肖像画」を一切制作しませんでした。王も教皇も侍女も、ありのままの姿を描き出そうとしたのです。

ベラスケスは、『教皇インノケンティウス10世』の野心むき出しの表情、フェリペ4世の加齢によりたるんだ瞼や薄くなった唇、さらに面長になった輪郭も明確に描き出しており、その肖像画からは彼らの人となりが透けて見えるようです。

離れて分かるベラスケスの超絶テクニック

ベラスケスの筆使い

ベラスケスは柄の長い筆を使って大胆な筆致で絵画を制作したことで知られます。

小さく素早い筆運びで描かれるベラスケスの作品は、近づいた状態では何が描かれているのか良くわからない図柄が、少し離れてみると国王の衣服だったり王子の髪だったりします。

たとえばこのフェリペ4世の肖像画では、赤の上に乱雑に乗ったように見える白と灰が繊細な刺繍を表していることがわかります。ベラスケスが描く作品は、一見ラフな筆致のなかに巧みな超絶テクニックが散りばめられているのです。

ベラスケス作マルガリータ王女の肖像

ベラスケスによるマルガリータ王女の肖像

スペイン国王からの絶対的な信頼を得ていたベラスケスは、王であるフェリペ4世や王族関係者の肖像画を数多く手がけました。なかでもフェリペ4世と2番目の妻との間に生まれたマルガリータ王女の肖像画は、王女の成長記録としても貴重な作品となっています。フェリペ4世はマルガリータ王女のことを「私の喜び」と手紙に記すなど大変可愛がっていました。

マルガリータ王女は政略結婚していますが、その結婚までの道のりは長きに渡り練られたものであり、夫となる神聖ローマ皇帝レオポルト1世のもとには、幼き頃からのマルガリータ王女の肖像が複数回に渡って届けられました。ベラスケスが描くマルガリータ王女の肖像画は成長記録であると共に、いわば「お見合い写真」でもあったのです。

ベラスケスはバラ色の頬をした幼児期から10歳の少女になるまでのマルガリータ王女を肖像画に描いており、その可愛らしい姿は世界的に有名な『ラス・メニーナス』のなかにも見ることができます。ベラスケスの絶筆となった作品もマルガリータ王女の肖像画でした。

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