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ミケランジェロ・ブオナローティの生涯と代表作・作品解説

ミケランジェロとは?

ルネサンス三大巨匠ミケランジェロ Michelangelo Buonarroti

ミケランジェロの肖像画

ミケランジェロ・ブオナローティは、「神のごとき」と称された盛期ルネサンスの彫刻家・画家です。

ミケランジェロの彫刻や絵画に見られる身体を捻った表現は後のマニエリスムにも繋がっていきます。ミケランジェロの功績は後の芸術家たちにも多大な影響を与えました。

ミケランジェロの代表作にバチカン宮殿システィーナ礼拝堂の祭壇画、代表的な彫刻作品に『サン・ピエトロのピエタ』『ダヴィデ』などがあります。

ミケランジェロの生涯

ミケランジェロ・ブオナローティは、トスカーナ地方アレッツォ近郊カプレーゼ村の生まれ。生まれてすぐに里子に出されたミケランジェロは、成長するとギルランダイオの工房に入りフレスコ画を学びます。その後ロレンツォ・イル・マニフィコに才能を見出されフィレンツェメディチ家の宮殿で暮らすようになりますが、ロレンツォの死後は各地を転々としながら制作を続けました。

ミケランジェロは24歳のときに制作した大理石彫刻『ピエタ』で一躍有名になり、ダヴィデ像やシスティーナ礼拝堂の壁画などの大作を手がけ、ダ・ヴィンチラファエロと共にルネサンス期の三大巨匠となります。仕事人間だったミケランジェロは、寝る間も食事の時間も惜しんで制作に没頭し、成功を手にしても尚ボロボロの衣服を着て制作に励んでいたそうです。

ミケランジェロが活躍した盛期ルネサンスとは

古代ギリシャ・ローマ美術を規範としたルネサンス美術。ルネサンス期を大きく分けると初期ルネサンス盛期ルネサンス期、盛期ルネサンスは更に構図やデッサンのフィレンツェ派、色彩のヴェネツィア派に分かれます。

ミケランジェロ・ブオナローティは盛期ルネサンス・フィレンツェ派の芸術家です。

ミケランジェロの特徴・作品鑑賞ポイント

システィーナ礼拝堂の天井画をミケランジェロひとりで制作

ヘレニズム彫刻に多大なる影響を受けた芸術家であるミケランジェロ。筋肉隆々の強靭な肉体を持つ男性美を描かせたらミケランジェロの右に出る者はいなかったでしょう。

ヴァチカン市国のシスティーナ礼拝堂の天井画と壁画は、ミケランジェロが4年もの歳月をかけひとりで描ききった大作です。足場をかけ、300体もの人間を描ききったミケランジェロは「神のミケランジェロ」と呼ばれ、絵画の世界でもヨーロッパ最高の芸術家としての名声を手にしました。

ヘレニズムを超えたヘレニズム彫刻家ミケランジェロ

彫刻でも絵画でも成功したルネサンス期の巨人であるミケランジェロ。サン・ピエトロ礼拝堂の設計も手がけるなど、その才能は彫刻以外でも発揮されましたが、ミケランジェロ本人はあくまでも彫刻家にこだわり続けました。

ピエタやバッカス、ダヴィデなどミケランジェロの大理石彫刻は、裸体壮大なスケールで表現されており、古代美術のヘレニズム彫刻を凌駕する美しさです。

ミケランジェロは、ミケランジェロが生まれる前に活躍していた初期ルネサンスの彫刻家ドナテッロとしばしば比較されますが、ミケランジェロの師匠であるベルトルド・ディ・ジョヴァンニはドナテッロの弟子であったことから、間接的に繋がりがあったとも言えます。

ミケランジェロの代表作・主要作品

ミケランジェロ『ドーニ家の聖家族』

ミケランジェロ『ドーニ家の聖家族』

ミケランジェロ『ドーニ家の聖家族』は、直径120cmほどの円形のパネル画。フィレンツェの商人アニョロ・ドーニが依頼したものとされています。ミケランジェロのパネル画は3枚しか現存しておらず、これはそのうちの1枚です。

作品名:ドーニ家の聖家族
作者:ミケランジェロ・ブオナローティ
制作年:1507年
種類:板、油彩とテンペラ
寸法:91cm×80cm
所有者:ウフィッツィ美術館(イタリア・フィレンツェ)

ミケランジェロ『アダムの創造』

ミケランジェロ『アダムの創造』

ミケランジェロ『アダムの創造』は、バチカン宮殿のシスティーナ礼拝堂の祭壇に描かれたフレスコ画の一部。神によってアダムに命が吹き込まれる瞬間が描かれています。ヘレニズム的な男性美がドラマティックです。

作品名:アダムの創造
作者:ミケランジェロ・ブオナローティ
制作年:1511年
種類:フレスコ
寸法:480cm×230cm
所有者:システィーナ礼拝堂(ヴァチカン)

ミケランジェロ『最後の審判』

ミケランジェロ『最後の審判』

ミケランジェロ『最後の審判』は、同じくバチカン宮殿のシスティーナ礼拝堂の祭壇に描かれたフレスコ画の一部。ヘレニズムの彫刻を思わせる筋肉隆々な人物が多数描かれています。

作品名:最後の審判
作者:ミケランジェロ・ブオナローティ
制作年:1535-1541年
種類:フレスコ
寸法:1370cm×1200cm
所有者:システィーナ礼拝堂(ヴァチカン)

ミケランジェロ『サン・ピエトロのピエタ』

ミケランジェロ『ピエタ』

ミケランジェロ『サン・ピエトロのピエタ』磔刑に処された死んだイエス・キリストとその亡骸を抱き嘆き悲しむ聖母マリアをモチーフとした大理石彫刻。

美しく若い聖母マリアと弱弱しく死に絶えたイエスのリアルな質感が人間のリアルを感じさせます。このときミケランジェロは若干24歳。この作品で名声を得ることになりました。

作品名:サン・ピエトロのピエタ
作者:ミケランジェロ・ブオナローティ
制作年:1498-1500年
種類:大理石彫刻
寸法:174cm×195cm
所有者:サン・ピエトロ大聖堂

ミケランジェロ『ダヴィデ』

ミケランジェロ『ダヴィデ』

ミケランジェロ『ダヴィデ』はミケランジェロの代表作。5.17メートルの大理石製の彫刻です。

ダヴィデ像は怪物ゴリアテの頭を踏みつけるポーズのものが一般的ですが、ミケランジェロはあえて同じポーズはとらせず、相手を鋭くにらみつける勇敢な姿勢のダヴィデ像を作り出しました。

下から見上げて鑑賞することを計算し、ミケランジェロ作のダヴィデ像は頭部が少し大きめに作られています。

作品名:ダヴィデ
作者:ミケランジェロ・ブオナローティ
制作年:1501-1504年
種類:大理石彫刻
寸法:517cm
所有者:アカデミア美術館(イタリア・フィレンツェ)

ミケランジェロ『ロンダニーニのピエタ』

ミケランジェロ『ロンダニーニのピエタ』

ミケランジェロ『ロンダニーニのピエタ』は、ミケランジェロ生涯最後の作品。死の直前までミケランジェロが手を入れていたといわれる第4のピエタです。

スフォルツェスコ城博物館に所蔵される以前はローマのロンダニーニ邸の中庭に置かれていました。

作品名:ロンダニーニのピエタ
作者:ミケランジェロ・ブオナローティ
制作年:1552-1564年
種類:大理石彫刻
寸法:195cm
所有者:スフォルツェスコ城博物館(イタリア・ミラノ)

盛期ルネサンス芸術家リスト

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