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盛期ルネサンス

パオロ・ヴェロネーゼ

投稿日:2018年8月3日 更新日:

ヴェロネーゼってこんな人

ヴェローナ生まれのヴェロネーゼ Paolo Veronese

ヴェロネーゼ肖像画パオロ・ヴェロネーゼは盛期ルネサンス・ヴェネツィア派の画家です。本名はパオロ・カリアーリ。北イタリアのヴェローナ出身ということでパオロ・ヴェロネーゼ、つまりあだ名で呼ばれたことがヴェロネーゼという名の由来でした。

ヴェローナの画家アントニオ・バディーレに弟子入り・修行したヴェロネーゼは、ヴェネツィア派のティツィアーノらの影響を受けています。

マニエリスム様式を学んだヴェロネーゼですが、マニエリスムの画家というよりも、明暗を控えた美しい色彩で話題になることが多いヴェネツィア派の代表格です。

ヴェロネーゼが活躍したルネサンス期とは

古代ギリシャ・ローマ美術を規範としたルネサンス美術。ルネサンス期を大きく分けると初期ルネサンス盛期ルネサンス期、盛期ルネサンスは更に構図やデッサンのフィレンツェ派、色彩のヴェネツィア派に分かれます。ヴェロネーゼは盛期ルネサンス・ヴェネツィア派の芸術家です。

ヴェロネーゼのここがすごい

巨大な壁画や天井画が超得意

ヴェロネーゼは非常に作品数の多いことで知られる画家であり、またその中には天井画など持ち運べない作品も多く含まれています。『カナの婚礼』は幅9m90cm、『レヴィ家の饗宴』は16世紀に制作された作品のなかで最大サイズの幅12m超です。

問題も引き起こした世俗的な宗教画

大きく明るく色鮮やかで世俗的な宗教画を得意としたヴェロネーゼ。聖書に登場する人々と実在する人々を取り混ぜたり、当時のヴェネツィア貴族の風俗を作品に盛り込んだりと、その作風はヴェネツィアの豊かな富や雰囲気を体現する華やかなものでした。

しかし『レヴィ家の饗宴』で異端審問会にかけられてしまう(後述)など、当時としては少々いきすぎてしまう面もあったようです。

ヴェロネーゼの作品・代表作

ヴェロネーゼ『美しきナーニ(ラ・ヴェッラ・ナーニ)』

ヴェロネーゼ『美しきナーニ(ラ・ヴェッラ・ナーニ)』ヴェロネーゼ『美しきナーニ(ラ・ヴェッラ・ナーニ)』は、作品をどの角度から見ても外斜視気味でミステリアスな表情のナーニと目が合わないといわれる不思議な作品。
2018年には国立新美術館ルーヴル美術館展のために来日し、展覧会のメイン作品として人気を集めました。

作品名:美しきナーニ(ラ・ヴェッラ・ナーニ)
作者:パオロ・ヴェロネーゼ
製作年:1552年
種類:キャンバス、油彩
寸法:119cm×103cm
所有者:ルーヴル美術館(フランス)

ヴェロネーゼ『ヴェネツィアへ贈り物を捧げるユノ』

ヴェロネーゼ『ヴェネツィアへ贈り物を捧げるユノ』『ヴェネツィアへ贈り物を捧げるユノ』
ベネチアドゥカーレ宮殿2階、十人委員会の間の絵画として引き受けた3点のうちの1点がこの天井画です。豊かな都市国家であるヴェネツィアを擬人化し、女神ユノがヴェネツィアに祝福を授ける場面が描かれています。

作品名:ヴェネツィアへ贈り物を捧げるユノ
作者:パオロ・ヴェロネーゼ
製作年:1553-1554年
種類:キャンバス、油彩
寸法:365cm×147cm
所有者:ドゥカーレ宮殿(イタリア・ヴェネチア)

ヴェロネーゼ『カナの婚礼』

ヴェロネーゼ『カナの婚礼』ヴェロネーゼ『カナの婚礼』は、縦677cm×横994cmという特大サイズの絵画。婚宴に招待されたキリストが水をワインに変えたとされる最初の奇跡の場面が舞台となっています。

婚宴に招待されたキリストが水をワインに変えたとされる最初の奇跡の場面が舞台となっており、 ヴィオラ・ダ・ガンバを弾くヴェロネーゼ、笛を吹くバッサーノ、ヴィオラを弾くティントレット、コントラバスを弾くティツィアーノなど自画像を含む多くの芸術家の姿も描きこまれています。

制作の依頼時には注文主より「最高級の絵具を使用すること」という指示があったため、ラピスラズリやウルトラマリンなど当時大変貴重で高価だった絵具が使用されました。

15か月かけて制作された大作は、1797年、ナポレオンにより修道院より奪われてしまいます。ナポレオン失脚後にイタリアからフランスに返還するよう求めたものの、フランスはこれを拒否。現在はフランスのルーヴル美術館所蔵となっています。

作品名:カナの婚礼
作者:パオロ・ヴェロネーゼ
製作年:1562-1563年
種類:キャンバス、油彩
寸法:677cm×994cm
所有者:ルーヴル美術館(フランス)

ヴェロネーゼ『レヴィ家の饗宴』

ヴェロネーゼ『レヴィ家の饗宴』ヴェロネーゼ『レヴィ家の饗宴』は、ティツィアーノの絵画が飾られていた食堂のスペースに火事で焼失したティツィアーノ作品の代わりとして依頼されたもの。 そのサイズは縦5.5m×横12m超と16世紀に制作された作品のなかで最大の大きさを誇ります。

この絵画の当初の題材は聖書の「最後の晩餐」でした。しかし、ヴェロネーゼが軍人や小人など聖書のエピソードには関係ない、宗教画の題材としてはふさわしくない人物を描きこんだこと、描かれている人物が貴族階級のようであることなどを理由に、ヴェロネーゼは異端審問会に召集されてしまいます。

現代の私たちからすると窮屈な話のようにも思えますが、もともと宗教画には文盲な人々にも布教するという側面があるため、あまりに宗教とかけ離れた人物が多いヴェロネーゼの作品が問題になるのは仕方のないことだったのでしょう。

宗教画としての表現を逸脱した作品であるということで書き直しを命じられたヴェロネーゼは、作品を書き換えるのではなく、作品名を『レヴィ家の饗宴』に変更しました。レヴィとは聖書に登場するキリストの十二使徒のひとりであるマタイが使途になる以前の徴税人だった頃を指しており、つまり「これは宗教画ではありませんよ」ということにしてしまったのです。言い訳ともいえる形でヴェロネーゼは異端審問会を乗り切ったのでした。

作品名:レヴィ家の饗宴
作者:パオロ・ヴェロネーゼ
製作年:1573年
種類:キャンバス、油彩
寸法:555cm×1280cm
所有者:アカデミア美術館(イタリア・ヴェネツィア)

ヴェロネーゼ『キューピッドによって結ばれるマルスとヴィーナス』

ヴェロネーゼ『キューピッドによって結ばれるマルスとヴィーナス』『キューピッドによって結ばれるマルスとヴィーナス』は、ヴェロネーゼ晩年の神話画。ルドルフ2世のために制作されたといわれる絵画には、キューピッドによって結ばれるマルスとヴィーナスが描かれています。

作品名:キューピッドによって結ばれるマルスとヴィーナス
作者:パオロ・ヴェロネーゼ
製作年:1570年代
種類:キャンバス、油彩
寸法:205.7cm×161cm
所有者:メトロポリタン美術館(アメリカ・ニューヨーク)

盛期ルネサンス芸術家リスト

-盛期ルネサンス

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