フェルメール展に入場するまで
上野の森美術館で開催中のフェルメール展に行ってきたので、混雑や館内の様子などを書いておきます。取り留めの無い話になるかと思いますが、「日時指定制の実際のところ」が気になっている方のお役に立てれば嬉しいです。
※フェルメール展・上野の森美術館のチケットは日時指定制になっています。チケット情報や見どころは別記事にまとめました。
フェルメール展・行列と待ち時間
私が出かけたのはフェルメール展・上野の森美術館、平日の朝一番9時30分~10時30分入場の回。チケットは予め前売日時指定券(ネット購入・セブンイレブン発券)を用意してありました。
上野に到着したのは朝8時過ぎ。「この時間なら誰も写りこまない写真が撮れるかも」とフェルメール展の会場である上野の森美術館に向かったところ、すでに10人ほどの方が並んでいらっしゃいました。(早いっ!)
ということで、私も慌てて並びます。写真は8時30分頃に撮ったもの。この時点で待ち時間1時間が確定です。
それから間もなく、美術館スタッフの方がカラーコーン&バー(上の写真の右下に写ってるのと同じもの)で整列場所を用意し始め、会場入口周辺にいた私たちに2列で並ぶよう案内がありました。開場待ちの行列は9時前の段階でおそらく50~60人程度だったと思います。
入場待ちの列に並んでいる間に、チケットのチェックが行われます。写真は私が実際に使用したフェルメール展・上野の森美術館のチケットです。美術館スタッフが列の先頭から順に1人ずつチケットの日時を確認しますので、チケットはすぐに出せるようにしておきましょう。
行列のほうはと言うと、開場30分前の9時頃を境に一気に混雑してきた印象があり、開場10分前(9時20分頃)に後ろを振り返ったら、こうなっていました。
並んでいらっしゃる方のお顔が写ってしまうのを避けるため、非常に分かりにくい行列写真になってしまいましたが…地図で見るとこんな感じ。
フェルメール展の入場待ち時間は日時によって様々で、行列が伸びて1時間以上待つ場合もあれば、待ち時間ほぼゼロで入場できる場合もあるとのこと。私と同日時(入場9時30分~10時30分)のチケットをお持ちで10時半少し前に美術館に到着された方は、まったく並ばずに入れたそうです。
ちなみに私が訪れた日時の前売り券は完売しておらず、窓口で当日券を購入されている方もチラホラいらっしゃいました。
フェルメール展・入場開始
入場開始の時間が近づくと、美術館スタッフの案内で、2列のまま列が動き始めます。美術館の入口は、上野の森美術館向かって右端のほう、拡大プリントのフェルメール作品が貼られているあたりです。
時間通り9時半に開場。待機列の形のまま2列で入場します。
フェルメール展・会場内の様子
フェルメール展・入場から鑑賞まで
会場に入ってすぐの左右にもぎりのスタッフがいるので、チケットを切ってもらい、フロア図や作品解説が載った青い表紙の小冊子「フェルメール展」をもらいます。
次に音声ガイド本体・イヤホンを受け取り(音声ガイド不要な方は素通り可)、順路案内に従って階段で2階に上がれば展示コーナーの始まりです。
フェルメール展・会場内の配置
会場入口から順路案内に従い2階に上がると、
- オランダ人との出会い:肖像画
- 遠い昔の物語:神話画と宗教画
- 戸外の画家たち:風景画
- 命なきものの美:静物画
- 日々の生活:風俗画
- 光と影:フェルメールルーム
という6章に展示作品が振り分けられています。
今回来日しているフェルメール作品のすべてが集結したフェルメールルームは、美術館入り口から一旦2階に上がり、展示フロアを順路通りに進み、階段で1階に降りて白い通路を抜けた先にあります。
フェルメール展で特に混雑する箇所
フェルメール展・上野の森美術館の会場内で特に混雑していたのは、入り口付近、風景画、フェルメールルームの3ヶ所です。
入り口は大抵どの展覧会でも混雑しますし、メインのフェルメールルームが混雑するのも、これはもう仕方の無いことだと思います。
問題はフロア図3にあたる「戸外の画家たち:風景画」のコーナー。フロアの幅が狭いうえに奥に細長く、鑑賞者はほぼ1列になってしか進めないため大混雑です。あまりの混雑に鑑賞を諦めて飛ばしていらっしゃる方も…。
混雑回避・フェルメール展おすすめ鑑賞ルート
フェルメール『赤い帽子の女』などは作品サイズがかなり小さいですし、できれば目の前でゆっくり見たいもの。できるだけストレスなくフェルメール作品を鑑賞する方法としては以下のようなプランが考えられます。
フェルメール展の穴場の時間を狙う
フェルメール展の日時指定制の時間振りは「9:30-10:30」「11:00-12:30」「13:00-14:30」といったように、各時間帯の間に空白の30分間があります。この空白の30分間は新たな入場者がいません。
フェルメール展は入れ替え制ではないため何時間滞在していても良いのですが、上野の森美術館は展示会場がそれほど広くないため、ほとんどの方は入場してから1~2時間以内に美術館を後にします。たとえば11時に入場された方なら、12時~12時半頃には作品の鑑賞を終えグッズ売り場を見たりしているでしょう。
空白の30分プラス、次の入場回の皆様がフェルメールルームにやってくるまでの時間が、もっともストレスなくフェルメールが鑑賞できる時間帯になります。
フェルメール展に朝一番で入場
フェルメール作品を確実に前方でご覧になりたいのであれば、上野の森美術館に9時30分入場がおすすめです。できるだけ前のほうに並んで入場しましょう。私がフェルメール展に出かけた日と同じくらいの混み具合なら、作品を1章から順に見て行ってもそれほど混まないうちにフェルメールルームまで進めます。
もしくは9時30分回の先頭で入場し、フェルメールだけ先に鑑賞してしまうという手もあります。
私は開場時に先頭から20人以内で入場し、まず最初にフェルメールルームに向かい、フェルメールの作品を一通り鑑賞してから、展示コーナーの先頭である1章に戻り、ルート順にすべての作品を鑑賞、最後に改めてもう一度フェルメールルームの作品を噛み締めて美術館を後にしました。
朝イチですと、ほとんど方が最初の展示コーナーに固まっているうちにフェルメールルームへ行くことができ、フロアが混雑しないうちに1章の展示まで戻ることも可能です。ただし、既に館内が混雑している場合は、人の波に逆走すると迷惑になりますし、フェルメールルームも当然混雑しているのでフェルメールを先に見るメリットはありません。このルートは朝イチのなかでも入場者数が少ない時間帯だけしか使えないと思ってください。
本当に取り留めがなくなってしまいましたが(汗)、現地レポートは以上です。
フェルメール展・日時指定制に思うこと
結論から言うと、個人的には、今回のフェルメール展・上野の森美術館の日時指定制導入は正解だったと思います。
日時指定制だからと言って「待たずにゆったり」という訳にはいきませんが、日本で人気のフェルメールが通常の方式で展示されたとしたら、行列はこの程度では済まず、また館内の混雑ももっとひどいものになっていたのではないでしょうか。
私は最近の上野の森美術館の展覧会ですと「怖い絵展」や「エッシャー展」を鑑賞しています。どちらも平日の朝に出かけたにも関わらずものすごい人で、すべての作品をゆっくり鑑賞することは到底叶いませんでした。その経験から考えると、今回のフェルメール展は外で並んだ時間も短く、館内も少し待てばどの作品も近くで鑑賞することができ(3章はちょっとひどかったですが…)、ストレスは少なかったです。
多少の混雑はあるにしろ、「入場に何時間も並んだり、満員電車のような状態で作品を鑑賞しなくて済む」というメリットは大きいと感じました。1時間ほど並びましたが、1時間待ちでフェルメールが鑑賞できるなら個人的には楽勝です。
今後も日時指定制の展覧会が行われるとすれば、課題はチケットの購入方法でしょうか。開場前に列に並んでいるとき、周囲からチケットの買い方で戸惑ったという声が聞こえました。SNSでも買い方が分からないという書き込みをお見かけします。たしかに年配の方やネットでチケットを購入することに慣れていない方には分かりにくかったのかもしれません。今後の改善点かと思います。
私はフェルメール作品の中で『牛乳を注ぐ女』が一番好きです。好きすぎてTwitterアカウントのアイコンにしているくらいなので、今回じっくり『牛乳を注ぐ女』を鑑賞することができて本当に幸せでした。よい展覧会です。お時間がありましたらぜひお出かけください。
上野にあるもうひとつのフェルメール作品
フェルメール展が開催されている上野の森美術館のすぐ近くにある国立西洋美術館の常設展には、フェルメールに帰属とされるもうひとつのフェルメール作品『聖プラクセディス』が展示されています。フェルメール展の帰りに寄ってみるのも良いですね。