ピエール・ボナール展 六本木・国立新美術館
2018年9月26日(水)より、六本木・国立新美術館にてピエール・ボナール展が開催されています。
ピエール・ボナールは、ゴーギャンに強い影響を受けて結成されたナビ派の画家。「日本かぶれのナビ」の異名を持つボナールは、妻マルトをモデルにした作品や何気ない日常の風景を切り取った優しい色彩溢れる作品を残したほか、ポスターを制作するデザイナーや版画家としての顔も持っていました。
ピエール・ボナール展の見どころ
日本初公開作品約30点を含むボナール大回顧展
六本木・国立新美術館のピエール・ボナール展は、ボナール初期の作品から遺作『花咲くアーモンドの木』まで、日本国内外から集められたボナールの油彩や素描、版画や写真など様々なジャンルの作品130点以上を展示するピエール・ボナール大回顧展です。
近年、本国フランスでもナビ派やピエール・ボナールが再注目されており、2015年には、世界で最も多くのボナール作品を所蔵するオルセー美術館で開催されたピエール・ボナール展が大人気を博しました。
今回のピエール・ボナール展(六本木・国立新美術館)には、そのオルセー美術館から日本初公開となるピエール・ボナール作品が約30点も来日しています。
ジャポニスムの影響を感じるボナール初期作品
「日本かぶれのナビ」とも呼ばれたボナールは浮世絵など日本美術・ジャポニスムから強い影響を受けました。今回のボナール展にも日本の屏風からインスピレーションを得た『庭の女性たち』や遠近を感じない平面的な構図にモティーフが重なり合う『黄昏(クロッケーの試合)』など日本の影響を色濃く感じる作品が展示されています。
ボナールが描くユーモラスで微笑ましい動物たち
私のおすすめは、ボナールが描く犬や猫といった動物たち。ボナールの描く動物たちは、みな可愛らしくユーモラスな姿をしており、ボナールの優しい目線が感じられます。
今回のピエール・ボナール展の音声ガイドは、神田沙也加さんが「ボナール家の猫」に扮するというユニークなものになっていますので、動物好きの方はボナールが描く動物たちの姿と共に音声ガイドもチェックしてみてください。
明るい色彩・視神経の冒険にシフトした20世紀のボナール
ジャポニスムに傾倒していたボナールですが、20世紀に入ると、見たもの・視界に入ってきた光景の印象を絵画化する「視神経の冒険」にシフトし、印象を鮮やかな色彩や淡い色彩でまとめた作品を制作するようになります。ボナールは妻マルトの入浴姿を多数絵画に残していますが、裸婦像もこの頃から明るい色彩に変化しました。
今回のピエール・ボナール展には、『ル・カネの食堂』『浴盤にしゃがむ裸婦』など、ボナールが一瞬の感覚で捉えた美しい色彩の絵画や明るい陽射しを感じる裸婦画も多数展示されています。
初期から20世紀へと章を追うごとに変化していくボナールの世界が楽しめる展覧会です。
ピエール・ボナール展 作品紹介
国立新美術館にて開催中のピエール・ボナール展に展示されている作品を何点かピックアップしてご紹介します。
ピエール・ボナール『庭の女性たち』
作品名:庭の女性たち
制作者:ピエール・ボナール
制作年:1890-1891年
所有者:オルセー美術館
ピエール・ボナール『ボート遊び』
作品名:ボート遊び
制作者:ピエール・ボナール
制作年:1907年
所有者:オルセー美術館
ピエール・ボナール『桟敷席』
作品名:桟敷席
制作者:ピエール・ボナール
制作年:1908年
所有者:オルセー美術館
ピエール・ボナール『化粧室あるいはバラ色の化粧室』
作品名:化粧室あるいはバラ色の化粧室
制作者:ピエール・ボナール
制作年:1914-1921年
所有者:オルセー美術館
ピエール・ボナール『ル・カネの食堂』
作品名:ル・カネの食堂
制作者:ピエール・ボナール
制作年:1932年
所有者:オルセー美術館
ピエール・ボナール『花咲くアーモンドの木』
作品名:花咲くアーモンドの木
制作者:ピエール・ボナール
制作年:1946-1947年
所有者:オルセー美術館
ピエール・ボナール展の混雑状況
ボナール展の混雑状況
国立新美術館・ボナール展は、会期初日から現在までのところ、長い行列や大きな混雑、入場制限などは見られませんが、週末の一部時間帯でチケット売り場や入場口、会場内に混雑が見られるようになってきています。
高校生の無料観覧日に指定されている11月14日(水)~11月26日(月)のうち3連休11月23日(金)~11月25日(日)は混雑が予想されます。
ピエール・ボナール展が開催されている国立新美術館では、2018年10月24日より東山魁夷の展覧会も開催されています。東山魁夷展と併せてボナール展を鑑賞される方が増える11月以降、特に会期終了が近づく11月下旬からは混んでくると思われます。
ピエール・ボナール展は国立新美術館で開催されている展覧会としては比較的ゆったり鑑賞することができますが、早めの鑑賞が吉です。
ピエール・ボナール作品テレビ放送日
テレビで取り上げられた展覧会は、放送後に行列・混雑が起こりやすくなります。今後テレビ放送が予定されているピエール・ボナールの特集番組は以下の通りです。
11/24 (土) 22:00 ~ 22:30 テレビ東京
美の巨人たち ボナール『黄昏(クロッケーの試合)』日本かぶれの画家の新絵画
ボナール展 混雑に関するSNSの感想
今日はボナール混んでる!!
— わにこ@低浮上 (@waniko610) 2018年11月23日
ピエール・ボナール展に行ってきました。昼過ぎに国立新美術館に到着。
あまり混んでいなかったので、ゆっくり鑑賞できました
美術の知識ゼロですが、やわらかい画風で、何となく懐かしさ、暖かさを感じました。#ピエール・ボナール展 pic.twitter.com/YOJOdKJIIb— 青嶺 (@888aone) 2018年11月16日
ボナール展@国立新美術館。空いてると言われるが、そこそこ人が入っていて一安心(混んではいない)。個人的には初期の日本かぶれのナビ派が好き。浴槽の裸婦が来てないのが不満だが、晩年のボナールの装飾画などとても興味深く、様々な作品が観られて良かった。遺作の「アーモンドの木」は涙もの。
— Conrad (@Conrrrrad) 2018年11月11日
新国立美術館のボナール展
内容の大充実ぶりに加え、日曜午後でも全ての絵の前で立ち止まってゆっくり観れる程度の混み具合でとても良かった。 pic.twitter.com/f73ef1p5pi— (@sayairo) 2018年11月11日
ボナール展行ってきました。思ったほど混んでなくて快適。穏やかな色調に癒されました。やっぱり猫だね。#ピエールボナール展
— yuzutya (@goyahk) 2018年11月4日
ピエール・ボナール展の感想・評判・口コミ
ピエール・ボナール展、SNSでの感想・評判・口コミを集めました。
続いて、オルセー美術館特別企画ピエール・ボナール展。ボナールの画風はユニークで、色彩もタッチも配置もこだわりを見せず、むしろそこにあるのは「描く自由」だと感じた。何を描くか、その対象がごく自然な瞬間、ありふれた瞬間であり、それを荒いタッチと微妙な色彩でさりげなく描いている。
— neveu (@NeveuTristan) 2018年11月23日
ボナール展とても素敵。今回特に惹かれたのは『乳母たちの散歩、辻馬車の列』と『花咲くアーモンドの木』。『乳母~』は色数抑えながら配色構図全てがかっこいい、お洒落。カードや図録では再現しきれてない部分が多くて生のよさを当たり前ながら再確認。 pic.twitter.com/zPkY1jXvDx
— misa (@misashomt) 2018年11月22日
ボナール展をみた。ムンクと重なる時代に生きた人。ボナールの赤は、ムンクの赤とはちがう。ボナールのそれは落ち着いていて優しい、あたたかい日溜まりのような赤。
彼に描かれた女性は、幸せな表情をしている。なんたかすきなかんじです。— さくらはるる(ゆるゆるやわやわ) (@harumIdori55) 2018年11月16日
ボナール展見てきました!温かな色調とは裏腹に人との距離を感じさせるテーブル越しの暗い顔の人物たち。この絵も「餌をねだる猫」って妻と猫を同じようなポーズで。妻の前に魚の載った皿が。(笑)
風景画がとても良かった(^-^) pic.twitter.com/lSnfG5H6vs— イリヤ (@Nereidia_13) 2018年11月15日
ボナール展、ジャポニスムの影響が強いっていうから、正直屏風絵とかばっかりなのかと思ってたんだけどそうでもなかったな
確かに浮世絵の構図だなあとは思ったけど、色づかいがものすごくきれいだったし、ネコちゃんかわいいし
肌の色に凝ってるとこはルーベンスと一緒だった
ってか裸婦多かったな— Kobashino (@hoistthecolor) 2018年11月5日
映画前に『ボナール展』を新国立美術館で。思ってたよりずっとすごかった…。住むところによって作風も変わっていってるように見える。初期はパリにいて暗い色調が多くて、中期は水道の発達から水と女性の明るい裸婦画、それから暖色系が増加していき、ノルマンディーに居を構えて青緑が増えてく。
— ボンババボン☆オカワリ (@0kawary) 2018年11月3日
国立新美術館、ピエール #ボナール展
揺らぐ筆使い、優しい色、構図、好きすぎて困りました。いつも展覧会では好きな絵No.1を決めるのですが、完全に《砂遊びをする子ども》で。近代日本画と言っても違和感ないし、わかめちゃんヘア可愛すぎ…迷わず手ぬぐい購入。 #Bura_Bi_Now pic.twitter.com/rHIie9vXfz— miharu_Stern (@miharu_jadeite) 2018年10月31日
ピエール・ボナール展 開催概要・チケット・アクセス
ボナール展 開催概要
開催会場:展覧会名オルセー美術館特別企画 ピエール・ボナール展
開催会場:国立新美術館
開催期間:2018年9月26日(水)~ 2018年12月17日(月)
開館時間:10時00分~18時00分
※毎週金・土曜日は20時まで(ただし9月28日(金)、29日(土)は21時まで)
※いずれも入場は閉館の30分前まで
休館日:毎週火曜日
※休館日は追加・変更になる場合あり
公式サイト:http://bonnard2018.exhn.jp/
ボナール展 チケット
チケット料金
早割券・前売券の取り扱いは終了しました
当日券
一般:1,600円
大学生:1,200円
高校生:800円
※中学生以下は無料
11月14日(水)~11月26日(月)は高校生無料観覧日(要学生証)
チケット購入方法
ボナール展の早割券・前売券の取り扱いは終了しました
当日券の購入は、国立新美術館チケット窓口(開館日のみ)、公式オンラインチケット、チケットぴあ(Pコード:768-996)、ローチケ(Lコード:32551)、セブンチケット(セブンコード:062-686)などが利用できます。
詳しくはボナール展公式サイトのチケット情報からご確認ください。
ピエール・ボナール展公式サイト
チケット情報:http://bonnard2018.exhn.jp/ticket/
ボナール展・会場アクセス
国立新美術館
〒106-8558 東京都港区六本木7丁目22−2
ボナールに会えるフィリップス・コレクション展
2018年10月17日より開催のフィリップス・コレクション展(東京・三菱一号館美術館)にも『犬を抱く女』『棕櫚の木』などボナールの作品が複数点展示されています。こちらもおすすめです。