奇蹟の芸術都市バルセロナ展 カタルーニャ近代美術の精華
全国を巡回してきた展覧会「奇蹟の芸術都市バルセロナ展 カタルーニャ近代美術の精華」が、巡回展のフィナーレを飾る東京ステーションギャラリーにやってきます。
現在、 静岡市美術館で開催中の「奇蹟の芸術都市バルセロナ展」は、バルセロナの近代化が進んだ1850年代からスペイン内戦に至るまでの約80年間に焦点を当て、世界遺産サグラダ・ファミリアの設計者アントニ･ガウディをはじめとする建築家の作品や、パブロ・ピカソ、サルバドール・ダリ、ジョアン・ミロなど、バルセロナが排出した多くの芸術家の作品を紹介する展覧会です。
東京ステーションギャラリーでは2020年2月8日（土）よりスタートします。
芸術を育てたバルセロナってどんなところ？
スペイン・カタルーニャ州の州都･バルセロナは、マドリードに次いでスペイン第2位の人口を誇る世界有数の国際都市。カタルーニャは「ムダルニズマ（モデルニスモ）」と呼ばれる芸術様式を生むなど建築や芸術と非常に縁が深く、バルセロナ都市部にはバルセロナが排出した芸術家であるミロやピカソの美術館のほか、サグラダ・ファミリアの設計者であるアントニ・ガウディら有名建築家の建築物が多く残っています。
日本と同じように夏暑く冬寒い四季があるバルセロナと東京の時差は8時間。世界遺産のサグラダ･ファミリア、優れた建築物や芸術作品、スキーやビーチリゾートなど、様々な観光資源を持つバルセロナは、世界中から多くの観光客が訪れる世界有数の観光スポットです。
奇蹟の芸術都市バルセロナ展の見どころ
バルセロナを美溢れる街に育てた建築家たち
「バルセロナの芸術」と聞いてまず思い浮かぶのは、世界遺産に登録されたアントニ・ガウディ設計のカトリック教会『サグラダ・ファミリア』ではないでしょうか。
19世紀末から20世紀初頭のバルセロナでは、富を得たブルジョワジーからのオファーにより独特の華やかさと優美な曲線を持つ建物が建築され、室内には豪華な家具や工芸品、絵画が飾り付けられました。
ガウディ後期の邸宅＆集合住宅カサ・ミラ
「奇蹟の芸術都市バルセロナ展」では、アール・ヌーヴォーと似た新しい芸術様式「ムダルニズマ（モデルニスモ）」によりバルセロナの景観を築いた建築家、アントニ・ガウディ、リュイス・ドゥメナク・イ・ムンタネー、ジュゼップ・プッチ・イ・カダファルクらを紹介。
サグラダ・ファミリアの設計者アントニ・ガウディによる独特のフォルムを持つ家具も展示されます。
バルセロナで才能を花開かせた芸術家たち
新しい芸術様式「ムダルニズマ（モデルニスモ）」による影響が建築や美術に及んでいた時期のバルセロナには、後に西洋美術の巨匠となる若き日のパブロ・ピカソ、サルバドール・ダリ、ジョアン・ミロらがいました。
「四匹の猫」の宣伝ビラ
パリで2年間過ごしたラモン・カザスやサンティアゴ・ルシニョルらが19世紀末のバルセロナに開いたカフェ「四匹の猫」は、多くの芸術家が集う「ムダルニズマ（モデルニスモ）」の中心地となり、常連だったピカソは「四匹の猫」で開いた初めての個展により、その才能に注目を集めることになります。
20世紀に入ると、ジョアン・ミロやサルバドール・ダリらがバルセロナの画廊によってパリに進出し、シュルレアリスムを代表する画家となりました。
「奇蹟の芸術都市バルセロナ展」では、バルセロナで才能を花開かせた芸術家たちの作品、当時のバルセロナの雰囲気を伝える絵画が多数展示されます。
奇蹟の芸術都市バルセロナ展の作品紹介
ジュアン・プラネッリャ『織工の娘』
作者名：ジュアン・プラネッリャ
作品名：織工の娘
制作年：1882年
所蔵先：個人蔵
スペインの経済発展を支えた労働者のなかには子供もいました。本作『織工の娘』には、貧しい労働者階級の幼い娘が、一人前の労働者として働く様子が静謐な筆致で表現されています。
フランセスク・マスリエラ『1882 年の冬』
作者名：フランセスク・マスリエラ
作品名：1882 年の冬
制作年：1882年
所蔵先：カタルーニャ美術館
四季のあるカタルーニャの冷たい冬の空気を感じさせる作品。暗い背景に浮かび上がる毛皮のマフの質感が美しいです。
サンティアゴ・ルシニョル『青い中庭』
作者名：サンティアゴ・ルシニョル
作品名：青い中庭
制作年：1892年
所蔵先：ムンサラット美術館
パリで過ごした後、バルセロナに芸術家や知識人が集うカフェ「四匹の猫」を開いたサンティアゴ・ルシニョルの作品。
ルマー・リベラ『夜会のあとで』
作者名：ルマー・リベラ
作品名：夜会のあとで
制作年：1894年頃
所蔵先：カタルーニャ美術館
カタルーニャの経済発展により、競うように自邸を建築し、高級家具・工芸品を購入したブルジョワジー。手入れされた髪や上質なドレス、室内に飾り付けられたオリエンタルな小物が富を物語ります。
奇蹟の芸術都市バルセロナ展の巡回展情報
奇蹟の芸術都市バルセロナ展は、以下の日程で全国を巡回中です。チケット料金や開館日時は開催地ごとに異なりますので、各会場の開催概要をご確認の上お出かけください。
- 長崎県美術館
2019年4月10日（水）～6月9日（日） - 姫路市立美術館
2019年6月29日（土）～9月1日（日） - 札幌芸術の森美術館
2019年9月14日（土）～11月4日（月・祝） - 静岡市美術館※開催中
2019年11月15日（金）～2020年1月19日（日） - 東京ステーションギャラリー
2020年2月8日（土）～4月9日（日）
奇蹟の芸術都市バルセロナ展 混雑予想・混雑状況
奇蹟の芸術都市バルセロナ展（静岡）混雑状況
静岡市美術館で開催中の「奇蹟の芸術都市バルセロナ展」は大きな混雑や入場制限などなく、ゆったり鑑賞できるようです。
静岡の前の巡回展開催地・札幌芸術の森美術館では会期終了直前にはかなりの混雑が見られたため、静岡市美術館も2020年1月19日（日）の会期終了直前は混雑が予想されます。早めのお出かけがおすすめです。
奇蹟の芸術都市バルセロナ展（東京）混雑予想
全国を巡回してきた「奇蹟の芸術都市バルセロナ展」は、東京ステーションギャラリーで幕を閉じます。
巡回展の展示内容が好評なこと、いずれの会場でも週末や会期終了直前の混雑が報告されていることから、アクセスの良い東京ステーションギャラリー会場も日時によりかなり混雑するでしょう。
最も空いていると予想される時間帯は平日の昼間になります。平日昼間のお出かけが難しい場合は、夜20時まで開館している金曜の夜、もしくは日曜の夕方のお出かけがおすすめです。会期終了（2020年4月9日）の2週間前あたりからは駆け込み鑑賞の方でかなりの混雑が予想されますので、お早めにお出かけください。
奇蹟の芸術都市バルセロナ展の感想・口コミ・評判
奇蹟の芸術都市バルセロナ展 感想・口コミ・評判
静岡市美術館にて「バルセロナ展」 家具デザイナーのガスパー・オマーの椅子やテーブルなどの作品も間近で見れ、作風でもある、色々な木材を組み合わせた木象嵌を堪能。もっと見てみたいなぁ・・ ガウディの曲線の建築は、アール・ヌーボーとは違う、時空が歪んだような不思議な感覚に陥ってしまう。 pic.twitter.com/yszHJNYdzE
— ナツノカケラ (@Natsu_no_kakera) December 4, 2019
静岡市美術館のバルセロナ展、絵画だけじゃなく、工芸や建築に関する展示もあって面白かった。
カザ・リェオー・ムレラはぜひ訪れてみたい。
図録¥3,300は手が出ない。#Bura_Bi_Now pic.twitter.com/gcW4nWvMH6— るみな (@lumina3105) November 30, 2019
カタルーニャ美術館の所蔵品を中心に、絵画、建築、家具、宝飾品などを展示。ガウディの建築やピカソはもちろん良いけど、「四匹の猫」に集う画家の交流から、知らなかった画家をたくさん知れた。
バルセロナ、なるほど魅惑の街。いつか行きたい。 pic.twitter.com/R1fVyVIfG7— NG2 (@hiro_nagatsu) November 27, 2019
公演の後はバルセロナ展へ。
ガウディ狂なもんで、バルセロナは特別な街。
有名なトコだとピカソ、ミロ、ダリ。
コルビュジエの作品が有った！#バルセロナ展#静岡市美術館 pic.twitter.com/fKsztrLBTH— ナガ📎📎📎📎📎📎🍥 (@a_naga3ssss) November 22, 2019
奇跡の芸術都市 #バルセロナ展 。
近代都市計画からスペイン内戦までの激動期に絞った意欲的な企画。
町工場で働く少女の絵に、産業革命後の工場労働者の平均寿命23歳！という衝撃的数字の解説、一方でブルジョア階級の令嬢の周囲にはジャポニズムの影が見えたり。#静岡市美術館 #Bura_Bi_Now pic.twitter.com/YZwJDg7bXb— やなぎ行李 (@yanagigouri) November 17, 2019
奇蹟の芸術都市バルセロナ展（静岡）開催概要・チケット情報
photo by Niba
奇蹟の芸術都市バルセロナ展（静岡）開催概要
- 展覧会名：奇蹟の芸術都市バルセロナ展 カタルーニャ近代美術の精華
- 開催会場：静岡市美術館
- 開催期間：2019年11月15日（金）～2020年1月19日（日）
- 開館時間：10:00～19:00
※入場は閉館の30分前まで
※開館・閉館時間が異なる曜日あり - 休館日：毎週月曜日、12月30日（月）～1月1日（水）
※1月14日開館、翌14日休館
奇蹟の芸術都市バルセロナ展（静岡）のチケット
チケット料金
前売券・早割券の取り扱いは終了しました
当日券
一般：1,200円
大学・高校生：800円
70歳以上：800円
※中学生以下無料
一般以外のチケットで入場の際は証明できるものが必要です
チケット購入方法
奇蹟の芸術都市バルセロナ展（静岡）当日券は、静岡市美術館チケット窓口ほか、ローソンチケット（Lコード40302）、セブンチケット（セブンコード077-621）、チケットぴあ（Pコード769-855）、谷島屋、戸田書店静岡本店、MARUZEN＆ジュンク堂書店新静岡店などで購入できます。
最新情報は静岡市美術館公式サイトからご確認ください。
奇蹟の芸術都市バルセロナ展（静岡）会場アクセス
静岡市美術館
〒420-0852
静岡県静岡市葵区紺屋町１７−１ 葵タワー
奇蹟の芸術都市バルセロナ展（東京）開催概要
奇蹟の芸術都市バルセロナ展（東京）開催概要
- 展覧会名：奇蹟の芸術都市バルセロナ展 カタルーニャ近代美術の精華
- 開催会場：東京ステーションギャラリー
- 開催期間：2020年2月8日（土）～2020年4月5日（日）
- 開館時間：10:00～18:00
※金曜は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで - 休館日：月曜日（2月24日、3月30日は開館）、2月25日（火）
※休館日が追加・変更になる場合あり - 公式サイト：東京ステーションギャラリー公式サイト
奇蹟の芸術都市バルセロナ展（東京）のチケット
チケット料金
前売券
一般：1,100円
大学・高校生：900円
高校生以下：無料
※前売券の販売は2019年12月7日～2020年2月7日まで
※東京ステーションギャラリーでの販売は2020年1月26日まで
高校生・大学生は入場の際に学生証の提示が必要です
当日券
一般：1,300円
大学・高校生：1,100円
高校生以下：無料
高校生・大学生は入場の際に学生証の提示が必要です
チケット購入方法
奇蹟の芸術都市バルセロナ展（東京）の前売券の購入は、東京ステーションギャラリーほか、ローソンチケット（Lコード33891）、イープラス、CNプレイガイド、セブンチケットが利用できます。
奇蹟の芸術都市バルセロナ展（東京）会場アクセス
東京ステーションギャラリー
〒100-0005
東京都千代田区丸の内１丁目９−１
