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レオナルド・ダ・ヴィンチの生涯と代表作・作品解説

レオナルド・ダ・ヴィンチとは?

レオナルド・ダ・ヴィンチ Leonardo da Vinci

レオナルド・ダ・ヴィンチ肖像画

レオナルド・ダ・ヴィンチは盛期ルネサンス・フィレンツェ派の画家。盛期ルネサンス三大巨匠のひとりと呼ばれるレオナルド・ダ・ヴィンチは、新しい技法や大胆な構図にも次々挑戦する革新的な画家であっただけでなく、音楽、数学、天文学、解剖学など様々なものに精通し、戦車や飛行機などの軍事用車両、橋などのデザイン・設計も手がけました。

多彩で万能な天才としても世界的に知られる偉人となったレオナルド・ダ・ヴィンチの代表作には、『モナ・リザ』『最後の晩餐』『受胎告知』などがあります。

ルネサンス三大巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチの生涯

ヴィンチ村に私生児として生まれたレオナルド・ダ・ヴィンチは、私生児ゆえに正規の教育が受けることができず、家督を継ぐこともできませんでした。13歳になったレオナルド・ダ・ヴィンチは、父親の友人でもあったヴェロッキオの工房に入り、美術全般の基礎を学びます。

レオナルド・ダ・ヴィンチはスフマートや遠近法を取り入れた作風で「見たことのないものは描かない」を信条とし、徹底的なリアリズムを追及していきました。

レオナルド・ダ・ヴィンチが活躍した盛期ルネサンスとは

古代ギリシャ・ローマ美術を規範としたルネサンス美術。ルネサンス期を大きく分けると初期ルネサンス盛期ルネサンス期、盛期ルネサンスは更に構図やデッサンのフィレンツェ派、色彩のヴェネツィア派に分かれます。レオナルド・ダ・ヴィンチは盛期ルネサンス・フィレンツェ派の芸術家です。

16世紀始めのイタリアでは、レオナルド・ダ・ヴィンチのほか、彫刻やシスティーナ礼拝堂の壁画などで知られるミケランジェロ、ダ・ヴィンチやラファエロの良いところを取り入れ調和と優美さを兼ね備えた絵画を追及しアテネの学堂などを描いたラファエロが活躍しました。これら3人はルネサンスの三大巨匠と呼ばれ、後世へ多大なる影響を及ぼすことになります。

レオナルド・ダ・ヴィンチの特徴・作品鑑賞ポイント

スフマートを生み出したレオナルド・ダ・ヴィンチ

レオナルド・ダ・ヴィンチ『モナ・リザ』世界一有名な名画と言っても過言ではないレオナルド・ダ・ヴィンチ『モナ・リザ』は、スフマートという技法を用いて描かれています。

これは徹底的なリアリズムを追及したレオナルド・ダ・ヴィンチが「物には輪郭線が存在していない」という考えから、輪郭線を用いず、自然界を見たままに描くことにこだわったなかで生まれた技法で、顔料をなんども重ね塗りすることでぼかしを表現しています。

レオナルド・ダヴィンチによる斬新な構図の宗教画

レオナルド・ダ・ヴィンチ『最後の晩餐 1495-1498』

キリスト教美術の名画として知られる『最後の晩餐』では、それまで当たり前だった「裏切り者のユダを手前に座らせる」構図を一新、ダ・ヴィンチは新しい構図での表現を試みます。

上記のレオナルド・ダ・ヴィンチ版『最後の晩餐』では、ユダも皆と同じようにテーブルの向こう側に座らせ、金貨の袋を持たせることで裏切り者を暗示しています。またキリストを中央に配置することで、キリストの頭部に向かう遠近図法となっていることにも注目です。

レオナルド・ダ・ヴィンチは、遠くのものが霞んで見えることや視覚的に効果的に見える構図、臨場感を与える表現にイチ早く気付いていたのです。

レオナルド・ダ・ヴィンチの代表作・主要作品

レオナルド・ダ・ヴィンチ『受胎告知』

ダ・ヴィンチ『受胎告知』は、ダ・ヴィンチが独立してすぐに描かれた作品。天使の周囲に描かれた植物などからは知識が豊富だったダ・ヴィンチらしさが見て取れます。

作品名:受胎告知
作者:レオナルド・ダ・ヴィンチ
制作年:1475-1485年
種類:板、油彩とテンペラ
寸法:98cm×217cm
所有者:ウフィッツィ美術館(イタリア・フィレンツェ)

レオナルド・ダ・ヴィンチ『マギの礼拝』

ダ・ヴィンチ『マギの礼拝』

レオナルド・ダ・ヴィンチ『マギの礼拝』は、修道院から祭壇画として発注されたものの未完のままとなってしまった作品。マギの礼拝は東方三博士の礼拝とも。

マリアに抱かれるイエスや賢者のほか、一番右端に描かれているのは作者であるダ・ヴィンチではないかといわれています。

作品名:マギの礼拝
作者:レオナルド・ダ・ヴィンチ
制作年:1481-1482年
種類:板、油彩とテンペラ
寸法:246cm×243cm
所有者:ウフィッツィ美術館(イタリア・フィレンツェ)

レオナルド・ダ・ヴィンチ『聖ヒエロニムス』

ダ・ヴィンチ『聖ヒエロニムス』

レオナルド・ダ・ヴィンチ『聖ヒエロニムス』は、こちらも下塗りで終わっている未完の作。シリアの荒野で足に棘が刺さってしまった聖ヒエロニムスが描かれています。

作品名:聖ヒエロニムス
作者:レオナルド・ダ・ヴィンチ
制作年:1482年
種類:板、油彩とテンペラ
寸法:103cm×75cm
所有者:ヴァチカン宮殿

レオナルド・ダ・ヴィンチ『岩窟の聖母』

ダ・ヴィンチ『岩窟の聖母』

レオナルド・ダ・ヴィンチ『岩窟の聖母』は、聖母マリアとイエス、ヨハネ、天使がトライアングルの構図に描かれた作品。中央が聖母マリア、マリアの左側にヨハネ、手前のイエスに腕をまわしているのが天使です。レオナルド・ダ・ヴィンチのトライアングルな構図はラファエロやミケランジェロもよく使っています。

作品名:岩窟の聖母
作者:レオナルド・ダ・ヴィンチ
制作年:1483年
種類:板に油彩、現在はキャンバスに移植済
寸法:199cm×122cm
所有者:ルーヴル美術館(フランス)

レオナルド・ダ・ヴィンチ『最後の晩餐』

レオナルド・ダ・ヴィンチ『最後の晩餐 1495-1498』

レオナルド・ダ・ヴィンチ『最後の晩餐』は、ルドヴィコ・スフォルツァ公がサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院の大食堂を装飾する絵画として注文したもので、ダ・ヴィンチは制作に3年をかけて完成させています。

漆喰に絵具を塗ったレオナルド・ダ・ヴィンチ『最後の晩餐』は、劣化が激しく、ダ・ヴィンチの存命中から朽ち始めていたといわれています。その後何度かの修復を重ね現在の状態となりました。

NHK・Eテレのアニメ美術番組びじゅチューン!ではキリストと弟子たちが『最後の晩餐サンバ』を踊っています。

作品名:最後の晩餐
作者:レオナルド・ダ・ヴィンチ
制作年:1495-1498年
種類:壁画、テンペラ
寸法:460cm×880cm
所有者:サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院(イタリア・ミラノ)

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レオナルド・ダ・ヴィンチ『モナ・リザ』

ダ・ヴィンチ『モナ・リザ』

レオナルド・ダ・ヴィンチの代表作『モナ・リザ』は、ルーヴル美術館でもっとも客が集まる、世界でもっとも有名な絵画。日本ではNHK・Eテレのアート番組びじゅチューン!の『お局のモナ・リザさん』としてもお馴染みです。

モデルはフィレンツェ名士の妻だという説が濃厚ですが確定ではなく、また途中で注文を解約され塗り進めているうちにモデルが彼の母親などに移ったという説もあり、いまだ謎が多くの残された状態です。

モデル女性の手には爪がないなど、リアリズムを追求したレオナルド・ダヴィンチの作品としては考えにく部分も残されており、本作品は未完成とされています。

作品名:モナ・リザ
作者:レオナルド・ダ・ヴィンチ
制作年:1503-1506年
種類:板、油彩
寸法:77cm×53cm
所有者:ルーヴル美術館(フランス)

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