初期ルネサンスより前

旧石器から古代エジプト時代まで

投稿日:2017年9月7日 更新日:

旧石器時代の美術の特徴・作品

洞窟のなかに描かれた壁画・小立像

猟で食料を得、子育てをしていた旧石器時代。人類史上、美術品のルーツはここから始まったといえるでしょう。では、旧石器時代の絵や像にはどういった意味があったのでしょうか。

ヨーロッパやオーストラリア、アフリカの洞窟から発見された壁画に描かれているのは主に動物で、これは豊猟を願うまじないとしての狙いがあったと考えられています。

また同じくまじないに用いられたと考えられる小さなオブジェも発見されており、こちらは動物のほか、ヴィーナスと呼ばれる人間の女性を模したものが見られることから子宝・子育てへの祈りをこめたものであったと考えられています。

ラスコー洞窟壁画

『ラスコー洞窟壁画』
仏: Grotte de Lascaux

フランスの洞窟に描かれた壁画。赤土や木炭を溶かして作った顔料を用いて、馬や鹿などの狩りの対象となっていた動物を中心に描かれています。
壁画の劣化が激しいため現在洞窟は閉鎖中だそうです。

ヴィレンドルフのヴィーナス

『ヴィレンドルフのヴィーナス』
Venus of Willendorf

1908年に、オーストリアの遺跡から発掘された高さ 11.1cmほどの小さな像。豊満な体は地位の高い女性を現しているものと考えられています。

所蔵先:ウィーン自然史博物館

メソポタミア時代の美術の特徴・作品

世界最古の文明メソポタミア

BC4000年頃よりメソポタミア地方で始まった世界最古の文明・メソポタミア文明。ここでは装飾が施された鮮文土器などが登場し、シュメール人によるモザイク装飾の神殿、人型の礼拝像などが出現した後、アッシリア人によるアッシリア美術へと発展しました。

「目には目を」のハンムラビ法典でお馴染みバビロニアもここに含まれます。この時代になると有翼の山羊のような芸術性の高い工芸品が登場しました。

ウルのスタンダード

『ウルのスタンダード』
Standard of Ur

初期のメソポタミア文明とされるシュメールの古代都市ウルの遺跡から出土した工芸品。戦争や饗宴の様子が描かれたモザイクが見事な品ですが、当時なにに使われていたのかは現在分かっていません。

所蔵先:大英博物館(イギリス)

ナラム・シンの石碑

『ナラム・シンの石碑』
Stele of Naram-Sin of Akkad

アッカド帝国の王であったナラム・シンがルルビ族に勝利したことを記念し作られた戦勝記念碑。

所蔵先:ルーブル美術館(フランス)

有翼の山羊(翼のあるヤギ)

『翼のあるヤギ』
古代オリエント。壷の脇に取り付けられた金と銀の装飾が施された山羊の彫刻が美しく、当時の技術の高さを思わせます。

所蔵先:ルーブル美術館(フランス)

ハンムラビ法典碑

『ハンムラビ法典碑』
Monument of the Code of Hammurabi

「目には目を」で有名なハンムラビ法典はハンムラビ王が発布。法典碑は1901年に石棒に刻まれたものがイランのスサで発見されました。玄武岩、高さ2.25m。
法典碑のレプリカは現在、岡山市立オリエント美術館、古代オリエント博物館(東京・池袋)、中近東文化センター(東京・三鷹市)などで見ることができます。

所蔵先:ルーブル美術館(フランス)

古代エジプト時代の美術の特徴・作品

3000年続いたエジプト文明

ナイル川の豊な水により農耕が発展し豊な生活を営むことができたエジプト。何世紀ものあいだ31もの王朝とともに繁栄し続けたエジプト美術は、ピラミッドやスフィンクスなどの巨大建築物、葬祭にまつわる芸術品、幾何学的で鮮やかな装飾の美術品などを多数生み出しました。

メンナの墓 農耕図

『メンナの墓 農耕図』

エジプトの墓に残された壁画です。エジプト文明の時代、ナイル川の水源を利用した農耕が行われていた様子が描かれている。墓の壁画には狩猟図や水辺の光景、動物の姿なども多く描かれました。

カフラー王坐像

『カフラー王坐像』
King Khafre seated

クフ王の息子でギザの第2ピラミッドの建造者であるカフラーの坐像。硬砂岩、高さ118cm。

所蔵先:エジプト考古学博物館(エジプト)

ツタンカーメン王の黄金のマスク

『ツタンカーメン王の黄金のマスク』
mask of Tutankhamen king

紀元前1300年頃に作られた、古代エジプト第18王朝 第12代目のファラオ、ツタンカーメンの黄金マスク。1922年11月4日に発見された。重さ11kg、金で作られたマスクにさらに18金~21金が薄く塗られ、カーネリアンやラピスラズリの装飾が施されている絢爛豪華な仮面です。

所蔵先:エジプト考古学博物館(エジプト・カイロ)

王妃ネフェルト・イティ胸像

『王妃ネフェルト・イティ胸像』
Bust of NEFERUTITI

1912年12月6日にナイル川河畔のアマルナで発掘されたエジプトの第18王朝のファラオだったアメンホテプ4世の妃ネフェルト・イティの胸像。ネフェルティティの胸像とも呼ばれます。彩色石灰岩彫刻。

所蔵先:新博物館(ドイツ・ベルリン)

3つのピラミッド

『3つのピラミッド』
Giza pyramid complex

ギザ砂漠にあるメンカウラー、カフラー、クフの三大ピラミッド。隣にはスフィンクスも。ギザの墓地遺跡(ギザ・ネクロポリス)は世界遺産登録です。

所在地:エジプト

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